本日は、晴天に恵まれ、多くのご来賓の方々のご臨席を賜り、21世紀最初の大野小学校卒業式が挙行されましたこと、大野小学校PTAを代表して、心からお慶び申し上げます。
卒業生の皆様、卒業おめでとうございます。
みなさん、この6年間の間に本当に立派に成長されましたね。
ここまで成長できたのは、数え切れない多くの人たちのおかげです。
まず、一番に感謝しなくてはいけないのが、お父さん、お母さんです。
言うまでもありませんね。
それから、先生方です。いろいろなことを教えていただきました。
運動会、学習発表会、一丸となってやり遂げました。
学校でケガをしたときや病気になったときには養護の先生にお世話になりました。
給食の調理員さんも毎日みんなの給食を作ってくれました。
その他、あげれば切りがありませんね。
このように皆さんは、周りのたくさんの人々の助けを借りて
ここまで成長したことを忘れてはいけません。

話は変わりますが、私には、去年この大野小学校を卒業したばかりのみなさんより一つ大きい娘がいます。
その娘が先日、友達と映画を観にいったようです。
「ペイフォワード」という映画ですが、皆さん知ってますか?
主人公は「ハーレイ・ジョエル・オスメント」という子どもなんですが、映画「シックスセンス」の子役といえば、分かるかも知れません。
物語は、主人公が中学1年のクラスで、先生が「もしきみたちが世界を変えたいと思ったら、何をする?」と問いかけるところから始まります。
そこでその少年が考えついたのが、善意を受けた人が受けた人にではなく、他の三人の人に善意を施す、すなわち、「善意の先贈り」というものです。
1人が3人、3人が9人、9人が27人、と善意が広がるというのです。
そして、10回贈られるとなんと200万人を越える人々に広がります。
もしも今この体育館にいる100人の人が始めたらどうでしょう。
2億人となり、日本の人口を遙かに超えてしまいます。
さて、映画の中では主人公自体、なかなか思うように善意が行われないのですが、本人が気が付かないところで、その運動が広がっていくのです。
重傷を受けた町のチンピラが幼い女の子に治療の順番を譲ったり、恩を受けたホームレスの若者が自殺しようとしている女性を助けたりと・・
父親と別れて一人で、その少年を育てた母親にも幸福が訪れるとか・・・
しかしこの少年が、他の人たち、周りの人々に幸福にしておきながら、最後はなくなるのです。物語の結末を話さないようとなっているのですが・・・
そして、葬儀には全米から人々が駆けつけるというストーリーです。
さて、みなさん、今までに周りの人たちからうけた善意をどのように「ペイフォワード」しますか?

皆さんは今日この大野小学校を卒業し、4月からは中学生になりますが、人の助けができる、人の為に役に立つ立派な大人になるというのも、時間はかかるかも知れませんが、立派なペイフォワードではないでしょうか?
よく「勉強は自分のためにするのだ」といわれますが、世の中に役に立つ人間になるために勉強するのです。
成人式の式典中にクラッカーをならすような人に迷惑をかけるような大人になってはいけません。皆さんには無限の可能性があるのです。
総理大臣になってこの日本を変えることだってできます。
プロ野球の選手になってみんなを楽しませることだってできるかも知れません。
世の中のためになる人間になって今まで受けた、善意を先贈りするのです。
ペイフォワードがんばってみてください。
 最後になりましたが、卒業生の保護者の皆様方、お子さんの卒業おめでとうございます。これまでのPTA活動に対しまして、多大なるご支援・ご協力を頂き、また積極的なご参加を頂き、厚くお礼申し上げます。
はなはだ簡単・措辞ではございますが、PTAを代表してのお祝いの言葉に変えさせていただきたいと思います。