子育ての教訓

暑くなるこの季節、毎年のように起こるのが、パチンコ店の駐車場での幼児熱射病死です。子どもを車の中に置いたままパチンコをすることなど、一昔前までは考えられませんでした。
子育ての教訓として、
「乳児はしっかり肌を離すな」
「幼児は肌を離せ、手を離すな」
「少年は手を離せ、目を離すな」
「青年は目を離せ、心を離すな」
というのがあります。
満一才に満たない乳児は、スキンシップが大切です。
幼児というのは満一才から小学校入学までですが、いつまでも、だっこにおんぶというわけにもいきませんから、少しずつ肌を離しましょう。そのかわり、あらゆる面で、手は離せません。
少年というのは小学校入学から満十八才に達するまでの長い期間をいいますが、子育ての一番難しいときですね。特に中学生は、まさに「手を離せ、目を離すな」の時です。
「手を離せ」、すなわち、いつまでも手取り足取りしてやるのではなく、できることは自分でさせる、自分で考えて行動させるということでしょう。
そのかわり、「目を離すな」です。中学生になると、大きく環境が変わります。新しい友達ができたり、行動範囲も行動内容も大きく変わってきます。つい最近では、中学生四人が洞窟で遊んでいて、一酸化炭素中毒で全員が亡くなるという痛ましい事故が起こりました。本当に考えられないことをします。
自分の子どもが、今日一日、誰と遊び、何をして、何を考えているのか、しっかりと把握(はあく)する必要があります。そして、まちがったことをしたなら、正してやらなくてはいけません。まだまだ目が離せませんね。
それ以後は青年といわれますが、ここまでの子育てが問題なければ、「目」を離してもお互いの「心」は決して離れないでしょう。そして、その「心」は、その青年の子育てに引き継がれてゆくのです。

心の散歩道 VOL.20(平成17年)より

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