数年前のことです。
近所で高校生の男女2人組が20代の若い男に絡まれているということで仲裁に入りました。高校生に事情を聞くと、細い道を自転車二人乗りをしていて、後ろからクラクションを鳴らされたが、道を譲らなかったということです。若い男にも事情を聞くと、避けるどころか、あざ笑うかのように、道のど真ん中を悠々と走り続けたそうです。確かに後ろからクラクションを鳴らされてはいい気はしませんが、二人乗りをして車の前を悠々と走り続けてはいけませんね。若い男があんちゃん風で威勢がよく、高校生はかなりビビッているようです。
とりあえず、高校生に「素直に謝りなさい」と、謝らせましたが、若い男の方は収まりがつきません。
「あんたは関係なかろうが」と仲裁に入った私にまでくってかかってきました。そのころには、通りがかりの野次馬も増えてきましたが、若い男の勢いは止まりそうもありません。
そうこうしているうちに誰かが通報したのかパトカーが到着しました。そして、下りてきた警官が「じゃあ、こっちに来て事情を聞こうか」と私も一緒に連れて行こうとするではありませんか。しっかりとあんちゃんと同類に見られたようです。たしかに作務衣にスキンヘッドで、警官から見たら怪しいやつに映ったのでしょう。「人は見た目が9割」だそうですから。
さすがに警官の姿を見ると男の態度はガラッと変わりました。素直に事情聴取に応じていました。
高校生の方も警官から事情を聞かれ、二人乗り等の注意を受けていましたが、いい勉強になったのではないでしょうか。相手によっては、そのまま後ろから跳ねられていたかもしれません。逆に、クラクションを鳴らして刺されることだってあります。本当信じられないことが起こります。お互いに気をつけましょう。
心の散歩道 VOL.22(平成19年)より
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