近年、キャッシュレス決済が急速に普及しています。スマホひとつで支払いが完結する利便性は、誰もが認めるところです。ICOCA(イコカ)やSuica(スイカ)が登場した時には、券売機で切符を買う手間から解放され、本当に感動モノでした。最近では、自動車税等の支払も家にいながらできるようになりました。お賽銭でさえもスマホでQRコードを読みとって納める寺社もあるそうです。寺社としては両替の手数料がかからない、お賽銭泥棒の心配がない等のメリットがあるようです。
しかし、その一方で、戸惑う声も少なくありません。特に年配の方々や技術に疎い人々にとって、この急速な変化についていくのは容易なことではありません。
まず、キャッシュレス決済の種類が多すぎることが問題です。クレジットカードやデビットカード、電子マネー、QRコード決済、そして最近では仮想通貨まで、選択肢は多岐にわたります。これに加えて、各サービスごとに異なる特典やポイント還元があるため、どれを選ぶべきか混乱するのも無理はありません。さらに、特定の店舗や地域でしか使えない決済方法もあり、統一感がないため余計にわかりにくくなっています。各社が顧客を取り込もうと、競争してポイント等の還元率が増えるのは良いことなのですが。
次に、技術的なハードルも存在します。スマホを持っていても、アプリのインストールや登録手続き、セキュリティ設定など、初めて利用する人にとっては敷居が高いものです。
また、フィッシング詐欺やスキミング、データ漏洩など、インターネット上の犯罪に巻き込まれる可能性もあります。最近ではQRコード詐欺と言った新種の詐欺も登場しています。
キャッシュレス社会は確かに便利で効率的ですが、その恩恵を全ての人が享受するためには、まだまだ多くの課題がありそうですね。
心の散歩道 VOL.39(令和6年)より
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